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東北運輸局 観光部 観光地域振興課
外国人旅行者のニーズに合わせて地域資源を磨き、
未来のためにインバウンド受け入れ態勢を整備
ターゲットの深層ニーズとマッチング。
研究データを活用すれば効果的な立案が可能に
福島県二本松市の一般社団法人にほんまつDMOは、
この先のインバウンド需要復活の気運の高まりに備えるべく
インバウンド向け体験型観光コンテンツの造成を進めている。
メインターゲットに据えたのは、平均旅行支出額が高く現地消費額の増加が見込める欧米豪市場だ。
二本松市には二本松城跡や日本酒の酒蔵をはじめとする歴史・文化と、
安達太良山に象徴される美しい自然があり、外国人を呼び込む観光資源には事欠かない。
しかし現状では訪日旅行者のほとんどは二本松市を含む東北地方ではなく、
東京などの都市部を中心に訪れている。
そのため商品造成に際し、これまでの東北来訪実績を基に戦略を練る方法は取ることができない。
そこで今回はインバウンド旅行者を国・タイプごとに分類して
彼らの深層ニーズと観光コンテンツをマッチングさせる、
じゃらんリサーチセンター研究員が導き出したフレームワークを活用。
こうしてターゲットのニーズに合致する方向性を定め、二本松市のDMOや戦略部会、
さらには酒蔵や飲食店、工芸店といった地域事業者が協力して商品造成を進めていった。
その結果、二本松らしさを存分に盛り込み、かつターゲットの興味を惹き付ける観光コンテンツが完成。
日本在住の外国人を対象にしたモニターツアーの反応もよく、
今後は実際の商品販売へ向けてより細部まで磨いていく。