【年鑑2026より】ナラティブ時代の食戦略 宿のごはんは体験価値へ進化する 〜集客を上げる一皿の設計〜

いま、「宿のごはん」は転換期にあります。

私は観光領域に携わって23年になります。これまで500軒以上の宿泊施設の集客支援に関わり、現在は全国各地の食材や食文化を軸に、ご当地グルメの開発や宿泊プランの造成・改善に日々取り組んでいます。

年間100日以上、各地の宿に滞在する中で、「ここを少し変えるだけで宿泊者の満足度が高まるのに」と感じる場面に何度も出会ってきました。料理の出し方、食材の伝え方、地域との結びつけ方など、ほんの小さな工夫で体験価値が大きく変わることは少なくありません。

旅行者の価値観は時代とともに変化しています。かつて団体旅行から個人旅行へと大きくシフトしたように、現在の個人旅行はさらに“パーソナライズ”の方向へ進みつつあります。さらに近年は、地域資源やストーリーと結びついた「ナラティブ(物語)旅行」への関心も高まりつつあります。

本稿では、食を軸とした「ご当地宿泊プラン」のあり方を整理し、宿泊施設と地域がどのように魅力的な「宿のごはん=食の体験」を生み出していくべきか、事例などを踏まえ具体的なアクションを提案していきます。

研究年鑑2026(2026年3月)