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静岡県

着地型観光の商品開発力、流通力をUPさせるには?

造成から流通販売までできる人材へ
静岡県ニューツーリズム商品企画販売研修

個人手配旅行者の増加、旅行目的の多様化などによって求められる着地型観光商品の推進。温泉地から海・山エリア、産業都市など様々な地域を有す静岡県観光政策課では、着地型観光の推進人材育成研修事業をJRCへの業務委託により実施した。

研修2回目は他地域で着地型観光を推進してきた担当者が、組織づくり、PRの手法、実績などリアルな経験を通して得たポイントを講義した

参加者個々で課題はバラバラ。まずは自ら振り返り、課題を可視化

今回の研修は、すでに現場で活躍中の参加者が着地型観光商品を造成~流通・販売していく上で大切な「課題の洗い出し」「解決のヒントとなる知識の引き出しを増やす」この2点を得た上で、それを活かして「カスタマーにとって魅力ある商品づくりのポイント」「流通販売方法の改善策」を会得。結果、着地型観光商品推進人材の即戦力強化を目指した。全3回のプログラム中の第1回は「じゃらん宿泊旅行調査2011」、じゃらんnetの宿泊実績などから静岡県観光マーケットのリアルな状況を掴むための講義と、これまでの各自の取り組みを演習形式で振り返る内容で構成。参加者からは「まずは現状データを知ることが大事だとわかった」「万人受けする商品は不可能でターゲットの絞り込みが今後重要と感じた」「違う地域の方々と課題について話すことが刺激になった」といった反響があった。

他地域の先進事例を担当者から聞くことで解決策の引き出しに

第2回は、「長崎さるく」推進リーダー、 毎年グルメ開発を推進する大分県日田市観光協会事務局長、JRC研究員の実証実験事例などを講義形式で紹介。途中、質疑応答で直接、講師にヒントをもらえる場も用意した。「自地域と似た課題や取り組みが聞けた」「一過性でない事業の話が聞けて良かった」「行政や民間のリーダーとの連携の大切さがわかった」など参加者の目線に近い講師の話は大きな意味があったようだ。研修後のアンケートでは「着地型商品造成・推進の課題解決につながるヒント・材料は見つかりましたか?」の問いに9割が見つかったと答えた。

地域に持ち帰りすぐに実践を。最後に改善案をまとめて発表

そして3回目は、参加者が自身の商品をこの研修から得た材料を基に磨き、改善案としてまとめ、プレゼンで披露した。この目的は短期・中長期で参加者が地域の中でやるべきことを、自ら見出し、可視化すること。プレゼンは、参加者、じゃらん編集長や旅行会社ツアー造成担当者等が審査し、優秀作品はPRする場として本誌「関東・東北じゃらん」2012年3月号への情報掲載権が が与えられた。審査のポイントは「ターゲットと商品の共感接点」「プロモーション設計力」「販売促進力」など。結果、優秀作4件が選ばれ掲載された。参加者からは「研修から様々な視点を得た。地域に持ち帰って具体化するアイデアをたくさんもらった」「地域との一体化、経済効果、雇用を織り交ぜた取組の必要性を感じた」「頭ではわかっていたが販売のためにやらなくてはいけないことの整理になった」「行政、ガイド、宿の立場なら…と発想の基盤を色々変えていく必要があると感じた」との声が。「JRCのノウハウを活かした実践的な内容のカリキュラムでした。商品化に向けたスキルアップや参加者同士が連携するきっかけづくりができたと思います。今後は商品化に向けての検証や効果的なプロモーション手法の習得により、静岡県内のニューツーリズムの取組強化を進めていきます」と静岡県観光政策課・渥美剛氏。参加者個々でやるべきことを持ち帰り、自ら動きだす機会を得た研修となったようだ。


【取り組んだ地域の方々】

静岡県文化・観光部観光局観光政策課

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