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福岡県北九州市、山口県下関市
飛行機活用で“羽田発1泊2日”の観光を。
近隣市と連携し北九州空港利用促進
2006年開港の北九州空港はビジネス利用客が多く、朝5時台~深夜0時前後まで1日17往復の羽田便が運航。この利便性を活した個人手配旅行者の獲得を目的に新誘客施策が、北九州市港湾空港局空港企画室によって実施された。
「関東・東北じゃらん」2012年2月号にて記事を掲載。門司港のカキ小屋やレトロな街並み、唐戸市場、平家ゆかりの地や巌流島など歴史の舞台も多いことなどを首都圏でPR
工業都市・北九州市が、観光誘客プロモーションを推進
北九州市は、日本を代表する鉄鋼、化学、機械などの産業が盛んなエリア。よって北九州空港を利用したビジネス客は、ある程度担保されている。羽田~北九州間の就航便は、1日17往復(2012年2月現在)と早朝から深夜まで充実しているが、ビジネス客の移動が弱い便や時期に対しては、新たな顧客を獲得する必要があった。工業都市のイメージが強いため、航空機を利用した観光客が伸び悩むこの北九州エリアにおいて、個人手配旅行者を中心とした新規誘客を目指した本施策では、新たな観光ルートの提案を軸にプロモーションが行われた。
実は街歩きや海幸グルメの宝庫!
その価値を首都圏に情報発信
関門海峡に接する門司港は、大正時代の建築物が残る「門司港レトロ」や「北九州カニ・カキロード」「門司港発祥
焼きカレー」などの観光資源が、この数年九州や中四国カスタマーに注目され人気に。しかし首都圏での認知度はまだまだ低いため、新たな観光の切り口として紹介した。また、関門海峡を挟んだ山口県下関市は、新鮮なフク(フグ)をはじめとした魚介を買って食べられる唐戸市場、源平合戦の史跡や巌流島などの歴史コンテンツも豊富だ。北九州空港を利用することで、周遊できるこれらコンテンツをつなぎ、新たなルートを提案することで、首都圏からの誘客プロモーションを実施することとなった。
そして、羽田~北九州間の就航便は多く、時間帯も豊富なため、例えば、午前中に北九州空港入りし、レンタカー移動。翌日もゆったり巡って夜便で羽田まで帰る…といった、通常の土日休みを使った“1泊2日”の旅行も無理なく楽しめることも新提案。九州旅行は2泊は必要…と考えがちな首都圏カスタマーに選択肢として提示した。
山口県下関市との連携によって、空港利用促進の新たな取り組みに
今回の旅行ルートの新提案にあたって、空港利用促進を中心的に行う北九州市空港企画室は、同市観光部観光・コンベンション課、地産地消グルメの推進を担う同市農林水産部地産地消推進課とともに、県を超えて下関市観光交流部観光政策課にプロモーション連携を依頼。4者ともに北九州空港の観光客利用を促進することのメリットに共感し、県を超えた空港利用促進・エリア周遊プロモーションが実現した。
「観光や食を中心とした広域周遊の提案を通して、空港利用を促進しました。行政は縦割りになりがちですが、今回は他の課や下関市と総意の上で、それぞれにメリットのあるモデルが1つできたと思います」と北九州市空港企画室・中原崇氏。
今後も継続的に空港利用促進施策に取り組むための基盤作りができた事例といえるだろう。
【取り組んだ地域の方々】
北九州市港湾空港局空港企画室/北九州市産業経済局観光部観光・コンベンション課/北九州市産業経済局農林水産部地産地消推進課/下関市観光交流部観光政策課
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