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Z世代女子を対象にした「旅マエ」に利用するメディア調査~2024年度版~
- 調査・データ分析
- 若年層
- その他
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本調査は、Z世代女子を対象に、旅行実態や「旅マエ」の認知興味~比較検討にフォーカスして
活用メディアや調べ方などを把握することを目指し、
じゃらんリサーチセンター(JRC)と駒沢女子大学との産学連携で調査実施しました。
2022・2023年度版調査データと対比して2024年度版を提示しています。
2024年度版の詳細は下記レポートを確認ください。
https://jrc.jalan.net/wp-content/uploads/2025/03/GenerationZ-degitalmedia.pdf
【調査概要】
調査時期:2024年11月24日(日)~2025年1月9日(木)
調査対象:駒沢女子大学 人間総合学群 1~4年生(当時)
調査n数:69
調査対象年齢:18歳~24歳(当時)
※2023年度は2023年12月6日(水)~12月23日(土)、n数=62にて実施
※2022年度は2022年12月21日(水)~2023年1月25日(水)、n数=63にて実施
詳細レポート https://jrc.jalan.net/wp-content/uploads/2025/03/GenerationZ-degitalmedia.pdf
※Z世代とは、明確な年齢の定義はないが、1990年代後半〜2012年頃に生まれた世代といわれ、
生年が10年以上と幅のある世代である当調査ではZ世代の中では比較的若年層に当たる、
2000年以降に生まれた学生を調査対象とした
【調査項目】
【1】直近1年間の旅行に参加した回数(※日帰り含まない)
【2】直近1年間旅行を自分で予約した回数(※日帰り含まない)
【3】何気ない情報に触れるのは、どのようなメディアが多いですか?
【4】旅行関連の情報を目にするのは、どのメディアが多いですか?
【5】友人と旅行先を検討する場合、何を重視して決めますか?
【6】どのような手法で旅行先を調べますか?
【7】【6】で選択した手法に対して、具体的な調べ方を教えてください
【8】旅行検討時、Instagramでハッシュタグ検索する場合は、
どのようなワードの組み合わせで検索しますか?
【9】あなたは日常生活や学習で生成AIを利用していますか?
【10】主にどのような目的で生成AIを利用していますか?
【11】生成AIを利用することで感じたことを教えてください
※【1】~【6】は、2022年度・2023年度版調査データと対比して2024年度を提示
【調査結果サマリ】
●旅行実態
<直近1年間の旅行に参加した回数>
「1回」が27.5%と最も高く、次いで「2回」「5回以上」が17.4%となる。
2023年度と比較すると「1回」の割合が大幅に増加し、「旅行していない」の割合は19.4%から13.0%と減少。
<直近1年間旅行を自分で予約した回数>
「1回」が42.0%と最も高く、2023年度の27.4%から大幅に増加している。
「旅行していない」の割合は27.4%から17.4%へと減少。
●認知興味
<接触メディア>
「Instagram」が82.6%と最も高く、次いで「X」「TikTok」が59.4%と高い。
<接触メディア(旅行関連)>
「Instagram」が84.1%と最も高く、次いで「X」が65.1%と旅行関連ではさらに高い。
●比較検討
<旅行検討時の重視点>
「予算」が84.1%と最も高く、次いで「宿泊施設の良さ」が54.0%と高い。
<旅行先を調べる手法>
「Googleから検索する」が79.4%と最も高く、次いで「Instagramから検索する」が66.7%。
●生成AI利用
「時々利用している」が31.9%と最も高く、「利用したことがない」が26.1%となる。
利用目的は「学校の宿題やレポート作成の補助」が49.3%と最も高い。
【調査レポート】
https://jrc.jalan.net/wp-content/uploads/2025/03/GenerationZ-degitalmedia.pdf
駒沢女子大学 専任講師 本間 准
「東京の女子大生」を対象とした経年調査が3年目を迎え、興味深いデータが明らかになってきました。
旅行回数や自分で旅行を予約した回数は、年々増加していることが分かります。
旅行関連のメディア接触においては、今年度X(旧ツイッター)の利用が伸びています。
また今回新たに追加した「生成AIの利用」に関する項目でも、注目に値する結果が得られました。
学生の利用目的では「学校の宿題作成の補助」に次いで、「情報収集や調査」が約3割との結果でした。
私の授業課題は生成AI使用可としており、このところ学生が提出するレポートの質が上がったように感じています。
今後はZ世代の「旅マエ」の情報収集にも、生成AIの活用が広がりそうです。
じゃらんリサーチセンター 研究員 松本 百加里
今回の調査から、Z世代女子の「旅マエ」における情報収集の手段として、
SNSの役割がますます大きくなっていることが明らかになりました。
特に、Instagramに加えてXの利用が増加している点は注目に値します。
旅行事業者や自治体が情報発信を行う際には、それぞれのプラットフォームの特性を活かし、
多様なアプローチを展開することが求められるでしょう。
また、生成AIの利用が学習目的にとどまらず、情報収集や調査の分野にも広がりつつある点は、
今後の「旅マエ」に新たな可能性をもたらすと考えられます。
AIを活用した旅行計画の支援や、個々のニーズに合わせた情報提供のあり方が、
今後どのように進化していくのかも注視したいところです。これからも経年で比較していき、
どのような変化があるか継続的に調査していければと思います。