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高校生向けにワークショップを実施!面白い企画を考えるために必要な「観察力」とは?

11月中旬、高知市立高知商業高校 社会マネジメント科
地域実践コース2年生の皆さんがリクルートの本社オフィスにご来訪されました。
その際、主席研究員・森戸香奈子と研究員・長野瑞樹が、
講演及びワークショップを実施しました。

高知商業高校では社会マネジメント科地域実践コースにおいて
観光ビジネスを学ぶ講座があります。
この講座は文科省の
「新時代に対応した高等学校改革推進事業(創造的教育方法実践プログラム)」に指定され、
新たなカリキュラムを開発が進められています。

昨年度は森戸が高知商業高校にお伺いし、「観光の企画立案」についてお話ししました。
今年度は、生徒の皆さんが修学旅行で東京にいらっしゃる機会に合わせてご訪問いただくことになりました。

森戸の講演パートでは、企画立案におけるプロセスや大事にしてほしい点、
特に、私たちじゃらんリサーチセンターの研究員たちが大切にしている2つのベクトル、
【外へのアティテュード=「好奇心」と、内なる「思考力」】についてお伝えしました。
自分自身で「面白い!」と思える企画を考えるためには、普段から自分自身の意見を持つ訓練をし、
興味がないことも、興味が持てるまで徹底的に考えることが重要です。

続いてワークショップのパートの話・・・に入る前に、
実はこの前の日は、浅草を自由行動で散策することを事前に聞いていましたので、
私から生徒の皆さんへ宿題を出していました。

それは、「まちをよく調べ、観察する」というものです。
よく製造業では三現主義(現場・現物・現実)などと言ったりしますが、
観光を考える上でも、観光地で起きている事のリアルを掴むことは必要不可欠です。
せっかく修学旅行で浅草に来たのだから、いつもの旅行者の視点に加え、
住民や事業者など、ちょっとだけ視点を変えて見ると様々な気づきや発見が得られます。


▲皆さんには、事前にJRCオリジナルの「旅のしおり」を作成し、気づきをメモしてもらいました。

ワークショップのセッションでは、グループに分かれて感じたことを共有し合いました。
「食べ歩き禁止なのになぜか食べ歩きのものが多く売っている」
「なぜちょっと脇道に入るだけで全然人通りが無くなるのか」
「歩く方向を一方通行にして歩きやすくしたほうがいい」
など、高校生ならではのユニークな意見もたくさん出ており、私も大変勉強になりました!



最後は私から、実際の調査事例に基づいた企画の立案や仮説検証プロセスについてお話ししました。
森戸の話にも出てきましたが、筋の良い企画にするためにはいかに「仮説」を立てるかが重要です。
とは言えいきなり仮説を立てろと言われても難しいので、どのように仮説を考えていけばいいのか、
私が過去実施したオーバーツーリズム研究や、現在取り組んでいるまち歩きの研究をもとにお話ししました。

少し難しい話もしましたが、皆さん本当に熱心にメモを取りながら聞いており、大変感心しました。
私たち自身も、これからの観光を支える皆さんの価値観に関心を持ち、変化を恐れず、
イノベーションの種を一緒に蒔いていくことが非常に重要だと感じました。
お伝えしたことが今後、生徒の皆さんが観光を考える際のヒントになるよう願っています。

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