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【リリース】地域とのかかわりを求めるZ世代~コロナ禍を経て「地域貢献意識」は上昇~

『じゃらんリサーチセンター』は、国内交流拡大において
中長期的に次の社会・経済・消費を作り出すZ世代の旅行スタイル現状を明らかにするため、
「じゃらん宿泊旅行調査」を基にZ世代の価値観と旅行への意識についてリリースしました。

▼3月27日プレスリリースの詳細はこちら
https://jrc.jalan.net/wp-content/uploads/2024/03/GenerationZ-Values_Release.pdf



■宿泊旅行に対する意識クラスター7タイプ

類似性や相違をわかりやすくするためにクラスター分析で7つタイプに分類。
宿泊旅行を行うときに意識したこと、実施したことの質問26項目について
「1:意識しなかった」「2:意識したが実施しなかった」「3:意識して、実施した」の
3カテゴリに振り直して因子を抽出し分析しました。



■世代別のクラスター分布からみるZ世代の特徴
地域を訪れるだけではなく、交流・体験といった地域でのかかわりを求めている
「地域体験交流タイプ」は若年層ほど出現比率が高まり、Z世代男性は29.6%、
女性15.8%で世代間ではもっとも高いことがわかりました。



■地域とのかかわりへの意識と実施状況

Z世代での出現比率が高い「地域体験交流タイプ」にもっとも強く表れた因子は「地域志向性」でした。
この因子と相関係数の高く、かつコロナ感染拡大をきっかけにもっとも変化した項目は
「地域のためになること、貢献できることを選ぶ」
(意識した・計/男性2019年:31.1%→2021年:41.2%→2023年:40.6%、
女性2019年:15.2%→2021年:24.1%→2023年:23.7%)で、
2019年→2021年にかけて男女ともに大きく上昇し、Z世代の男性は4割を超えることがわかりました。
コロナ感染拡大によって地域の課題や困難な状況が浮き彫りとなったことで、
「地域」というものを意識する機会が増えたことが影響していると考えられます。



▼担当者によるコメント
じゃらんリサーチセンター 研究員 池内摩耶



最近、Z世代の方々に対して旅行スタイルについてインタビューをすると、
「地域・地方」というワードを耳にすることが増えました。
従来の観光地を否定するものではなく、知らない地域や地方へとかかわることへの
憧れ・かっこよさのような志向性が高まってきていると感じており、
JRCで長年実施している『じゃらん宿泊旅行調査』を再分析したところ、
若年層ほど地域や地方への関心が高まっていることが明らかになりました。
例えばZ世代は伝統産業・特産品を「買って楽しむ」より「製作してみたい」。
地域での体験交流も、親世代は「教わりたい」、Z世代は「一緒に体験したい」と、
より地域の魅力や生活環境を体験し人々との交流を求める意向が強いようです。
Z世代のこのような地域との深いかかわり方はリピーターを生むとともに、
地域課題を身近なものと捉えた活動や消費に拡大していく可能性が高いのではないでしょうか。
地域での経験価値を提供する「おてつたび」など、Z世代の地域への意識を捉えたサービスも誕生しており、
次世代の地域産業への新しい価値提供がどのように変化・拡大していくのか注目していきたいと思います。

▼3月27日プレスリリースの詳細はこちら
https://jrc.jalan.net/wp-content/uploads/2024/03/GenerationZ-Values_Release.pdf

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