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新しい関係人口ワーケーション需要の現状と可能性~『自分への投資』が成功のカギ~
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◆カスタマーがワーケーションに求めるのは「自分への投資」だと思える環境
ワークとバケーションを組み合わせた造語「ワーケーション」とは、
いつもと違う場所(普段の生活圏外)に滞在し、
いつも通りの仕事を行いながら、いつもと違う経験・体験をする取り組みです。
自身も山梨県八ヶ岳高原のでリモートワーク・ワーケーション移住を実践する
JRC研究員・森 成人(もり・なるひと)は
ワーケーションが地域に寄与する可能性を探る研究に取り組んでいます。
今回は森研究員による調査研究から見えてきた、
ワーケーション受け入れ地域としてできることについて見ていきます。
まず、地域にとってワーケーションを受け入れる意義とは何かというと、
来訪機会の増加にともなう関係人口・移住機会の向上が挙げられます。
地域の宿にとっては、平日をからめた長期宿泊客の出現による
稼働率アップというメリットも。
では、そもそもカスタマーはワーケーションに対し何を期待しているのでしょう。
調査によると「ワーケーションに興味をもったきっかけ・目的」は、
「自分のライフワーク/趣味をもっと楽しみたくなった」というものや、
「子育てのしやすさ/教育環境」「地域コミュニティへの関わり」
「新しい出会いへの期待」を挙げる層が多くいました。
また、「理想とするワーケーション用宿泊プラン」を尋ねたところ、
すでにワーケーションを実践している層からは
「子どもの夏休みと連動したプラン」という声が最も多く(72.8%)、
「地域の体験を通じて心身健康の増進ができるプラン」
「共通の趣味やライフワークを持った人・コミュニティに出会えるプラン」
「将来の居住地探し・お試し移住プラン」「地域で自分の副業が探せるプラン」も
66%を超える多くの支持を集めました。
これらの結果から浮かび上がるのは、
「自分への投資となる目的(=趣味・ライフワーク、子育て、移住、出会い)」が
実現できる環境をワーケーションに対して求めているカスタマーの姿です。
◆宿泊プランは「お金をかける価値がある」と納得させられるかがカギ!
ワーケーションに興味がありながらも実践に至らない、阻害要因を調査したところ
「周囲によい顔をされない」「クライアントやお客さま対応がリモートワークではしにくい」
といった対外的な要因を抑えて、最も多かった回答は
「そのような生活をするお金がない」というものでした。
「ワーケーションをしてみたい、けれどお金をかけるのもなぁ…」と考える
カスタマーが実践に至るように後押しするため、有効なこととは?
先ほど取り上げた、「カスタマーがワーケーションに求めること」と考え合わせると
「ワーケーションとは自己投資の機会である」
=「お金をかけるだけの価値をもつ行動である」と納得させることが必要でしょう。
つまり、地域や宿はカスタマーに対して「自分への投資」をキーワードにした
ワーケーション施策を検討することが有効だと考えられるのです。
森研究員による研究レポートでは、「自己投資」をテーマにした宿泊プラン例や、
ワーケーション滞在地として人気の地域といった多彩な調査データと
今回取り上げた以外の解説も公開されています。
以下よりご覧いただけますので、ぜひチェックしてみてください。
▼ワーケーションの調査・研究レポートはこちら
「新しい関係人口 ワーケーション需要の現状と可能性~『自分への投資』が成功のカギ~」