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隠岐観光協会(島根県)、長崎県、佐渡島(新潟県)
着地体験商品の情報公開・予約受付・決済まで行える
予約システムの導入で業務効率化と誘客強化へ
国土保全の観点から国も推進する
有人国境離島地域の活性化を観光面から支援
海に囲まれた日本には離島も多数あり、国が指定する特定有人国境離島地域には15地域・71島がある。有人国境離島の地域社会の維持は、当該地域にとってはもとより国土保全の観点からも重要。国は交付金制度を創設して有人国境離島活性化の支援を推進している。また、地域社会の維持・活性化に向けて観光振興は有効策の一つ。有人国境離島の観光情報を提供するウェブサイト「日本の国境に行こう!!」も国が音頭をとり立ち上げている。
島根県の隠岐諸島も、特定有人国境離島地域の一つ。島後、中ノ島、西ノ島、知夫里島の4島を主に180超の島からなり、人口は計2万人ほど。美しい自然や独特の伝統文化、海産物などの魅力的な観光資源がある。しかし他の離島同様、人口減少や交流人口の低迷が課題。観光をフックに地域活性化を目指すため、国の交付金を活用してウェブ予約システムの導入に踏み切った。
5つの地域課題を一気に解決へ!
自立運用可能なウェブ予約システムを構築
観光客の誘客促進へ向けた情報発信や、旅行商品の予約手配にいまやウェブサイトは欠かせないツール。隠岐主要4島の情報を発信する隠岐観光協会の公式ウェブサイトはあるものの、予約・決済までウェブ上で行う仕組みは構築されていなかった。じゃらんnetをはじめ他社の予約サイトを通じた旅行商品の販売は行われているが、観光協会と他社おのおのが予約受付窓口となるため在庫が即時共有できないという弊害がある。
予約・決済システムが公式ウェブサイトに構築されていなかった理由には、導入しても継続して運用するスキルが不足していることが挙げられる。そこで今回導入するウェブ予約システムは、高度なスキル不要で運用できることに注力。たとえば体験商品を公式ウェブサイトで販売したい場合も、入力フォームの項目枠に情報や在庫数を入力して画像を登録するだけ。指示に従い作業を進めれば、文章や画像があらかじめデザインされたひな型通りに自動的に配置されたウェブページが完成する。入力フォームは地域の要望を反映してカスタマイズ。従来は手書きで記入していた紙の予約台帳と同じ項目を設け、実際に運用していく現場の人々の使いやすさ・わかりやすさを重視して設計した。また、旅行会社や個人からのツアー商品造成依頼に対応できる入力フォームも用意し、コース設計から見積書作成、在庫管理まで簡単に一括管理できるシステムも構築した。
これらのシステムとあわせ、他社ウェブサイトと連携した情報を観光協会の公式ウェブサイトに掲載できるシステム(API連携)も構築。これは着地型体験商品を扱うじゃらんnet「遊び・体験予約」の商品情報を、改めて入力し直すことなく自動的に公式ウェブサイトに掲載できるもの。在庫管理を一元化できるほか、観光協会の公式ウェブサイト経由で予約を受け付けた際は「遊び・体験予約」側からの成果報酬が得られる点も利点だ。
こうしたウェブシステムにより業務効率の改善が図れ、そのぶん旅行商品の新規造成などに人材を活用できる。また、ウェブ予約システムを通じて予約者に関するビッグデータの蓄積も可能に。データ分析により、旅行者の動態や嗜好にマッチしたプロモーション企画や体験商品を開発する際に役立てていける。
より多くの人に隠岐の情報にふれてもらうため、じゃらんnet内に3年~5年間の中長期にわたり有人国境離島の特集ページおよび、「日本の国境に行こう!!」へ誘導する特設バナーを設置する。旅行先検討中の層に対して訴求する経路を増やして誘客強化のサポートを行っていく。
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