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高知県

好評で増刷!手に取られるパンフレットの秘訣とは?

高知県民がおすすめするリアルな魅力、
県公式パンフレット「こうちじん」

高知県観光振興部 龍馬ふるさと博推進課が、高知を訪れた観光客へ向けて制作したパンフレット「こうちじん」は増刷を重ね、発行17万部超とカスタマーにも好評を得た。よくある行政パンフレットとはひと味違う編集方針が功を奏した例だ。

右開きの表面は旅行者向けに龍馬をメインに配し、左開きの表面は県民向けにタウン誌のような体裁にした「W表紙」デザインを採用。当初より地元の人にも愛着を持ってほしいという狙いを持って制作していた

「高知県民責任編集」という観点で観光パンフレットを制作

2012年3月31日まで開催の「志国高知龍馬ふるさと博」をはじめ、龍馬人気をフックとした観光客で沸く高知県。龍馬ふるさと博推進課ではその集客力を県全体へと広めるべく、来県したカスタマーへ観光情報を伝えるツールとして、県の総合観光パンフレットの制作を計画した。数社によるコンペ案の中から採用したのは、JRCが提案した「高知県民責任編集」というコンセプト案だ。
こうして制作した「こうちじん」はご当地愛を前面に出し、県民が真にすすめたい情報に重きを置いて構成した点が特徴。観光業に携わる県民の顔写真を出し、各施設の魅力を紹介するコメントを掲載した。「行政側が作るパンフレットはどうしても固いものになりがちですが、県民が登場したことで楽しい雰囲気の誌面にできたと感じています。県民のリアルな声を載せた点も、観光客の方に支持されたのではないでしょうか」(同課・松本栄志氏)

配架にも配慮し発行17万部以上に。「ご当地愛」から思わぬ効果も

2011年3月に5万部の配布を開始したパンフレットは、6月に2万部、7月には10万部を増刷。合計17万部は、今年3月中にはすべての配布が完了する勢いだ。これは、前述のような企画が好評を博したことのみならず、流通・配架に力を入れた成果でもある。「作って終わり」ではなくカスタマーの手に届くことが大切だという認識のもと、配架することまでを制作委託時に契約。高知駅前の高知観光情報発信館「とさてらす」をはじめ、龍馬ふるさと博各会場、県内の主なコンビニ、JR四国の主要駅など配架場所は約1000カ所におよび、減少が速い地点には追加配送するなど流通管理にも配慮した。
「こうちじん」は観光客に受け入れられただけではなく、県民の支持を得られた点にも注目したい。制作当初より、地域の人々が誌面を飾ったことで親近感、愛着を持ってもらえるのではないかとの思いはあったが、結果は期待以上。ホテルから「『こうちじん』を客室に置かせてほしい」と配送依頼が来たほか、変わったところでは「娘の披露宴で県外からの出席者に配りたい」との問い合わせもあった。
「おもてなしの国・高知」を体現したかのような高知県民責任編集というコンセプトが共感を得て、県民のおもてなしツールになった「こうちじん」。新たな情報を盛り込むなど一部構成を変え、初版の56ページから8ページ増やした改訂版を2012年3月中旬に8万部増刷する予定で進めている。

誌面では観光業界関係者を中心にした県民が顔写真と共におすすめ情報を紹介。その数は130名以上に上った
モデルコースやグルメ紹介も地元・高知県民のクチコミで構成

【取り組んだ地域の方々】

高知県観光振興部龍馬ふるさと博推進課

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