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奈良県 地域振興部 移住・交流推進室
視点を変えて地域資源を捉え直し、
新しい魅力を付与することで集客を実現
ニッチ層にターゲットを絞り、
地域に価値を見出すファンを育む
奈良県南部・東部地域では、高野山開創1200年にあたる2015年に向け、2010年より「弘法大師の道」プロジェクトを始動。これは青年期の弘法大師が修行したという吉野山と高野山を結ぶ道を、新たな地域資源に活用する取り組みだ。将来的なリピーター創出を狙い、誘客ターゲットにしたのは若者層。そこで単なる「修行の道」ではなくトレイルランニングのルートとして情報を発信することに。該当ルートは観光地化されていないため、広い層の誘客を狙わずニッチ層に絞った戦略を採用した。
ルート選定へ向けた調査には奈良県が参加したほか、金峯山寺と金剛峯寺、考古学や山岳遺跡の研究機関の協力も得て、総延長55.7kmのルートを設定した。
「弘法大師の道」は専用ウェブサイトでのプロモーションのほか、2014年からはトレイルランニングイベントも開催。同イベントはスポーツブランド「ザ・ノース・フェイス」の協賛を得て、同社に所属するプロトレイルランナーである横山峰弘氏と鏑木毅氏のゲスト参加も実現した。開催日程は1泊2日で、2014年・2015年ともに約170名参加。参加者の宿泊先になった吉野・奥吉野エリアは、開催月の宿泊実行件数が2014年は前年比111.7%、2015年も前年比111.8%に増加した。イベントは2016年も開催が決定し、順調に参加希望者を集めている状況だ。
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