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兵庫県

「大河ドラマ」を活かしたキャンペーン施策とは?

ポスター、パンフレット、ARアプリを活用し
兵庫県「平清盛」キャンペーンを実施

「あいたい兵庫キャンペーン」を展開する兵庫県産業労働部観光振興課、ひょうごツーリズム協会が2011年度下期のキャンペーンテーマに据えたのは平清盛。2012年の大河ドラマを契機にした集客拡大を狙って、様々なメディアでキャンペーンを行った。

「首都が兵庫にあった」という発見感で興味を引き、ポスター下部にはグルメや温泉の写真を配して「宿泊で兵庫を楽しむ」イメージを訴求

大河ドラマをフックにした兵庫誘客キャンペーンを展開

今年度1月~3月期の「あいたい兵庫キャンペーン2011」は、2012年1月より放送の大河ドラマにあわせて平清盛をテーマにして展開した。このキャンペーンは兵庫県への誘客、そして県内の観光資源に対する理解促進を狙ったものだが、県の来訪者に占める割合が多い50歳以上の層はある程度の集客が見込まれた。そこで、現状の主流層をメインターゲットにしつつも、20~34歳の若い世代を呼び込むことも視野に入れた企画を検討していった。
ポスターとパンフレットは、「平清盛が最後に夢をかけた場所兵庫」というコンセプトで制作。「首都が兵庫にあった」という発見感のあるキャッチコピーで関心をそそるとともに、パンフレットは平清盛の人物像や歴史をたどるモデルコースを紹介するドラマチックな構成にした。「ロマンを感じる作りで、多くの人の目を引けていると感じています。パンフレットの配布も順調です」(兵庫県観光振興課・山嵜美和氏)
パンフレットには、集客を大河ドラマのテーマ館がある神戸市だけでなく、県内の周遊へとつなげるため、各地の情報も掲載。また、歴史好き以外の層にアピールできるようにとグルメや温泉についても盛り込んだ。

スマートフォンアプリで若い世代に周遊を提案

県内周遊を促すもう一つの施策としては「清盛源平スタンプラリー」を実施した。これはスマートフォン向け無料アプリ「セカイカメラ」を使ったもので、県内各地の指定地点でスマートフォンのカメラをかざし、画面に表示されるアイコン「エアタグ」にふれることでスタンプが集めていける仕組み。前年度にも埼玉県の事業として同様のものを行っており、埼玉県と同じくトランスコスモス(株)とJRCの共同体制で展開。各地へのエアタグの設置やアイコンのデザインは、緊急雇用対策で雇用した人材が行った。
62カ所に設置したエアタグはスタンプ収集用のものに加えて、観光施設や名産品を紹介するものも用意。エリア別に11コースにわけてあり、スタンプラリーと周遊の旅を同時に楽しむことを提案した。こうしたアプリを活用したプロモーション手法は、日常的にスマートフォンや携帯電話を使い慣れた若い世代をターゲットにする際、今後も広がりを見せるだろう。

史跡や逸話など平清盛関連の情報のほか、エリア別に名勝やグルメといった観光情報を載せた32ページのパンフレットは密度の濃い構成
スタンプラリーはアプリを「清盛・源平ゆかりの地」で起動し、ポイントを集める方式に
県内の主要駅などでポスターやパンフレットを設置。キャンペーンを盛り上げた

【取り組んだ地域の方々】

兵庫県産業労働部観光振興課/ひょうごツーリズム協会

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