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伊勢市役所 観光企画課

3つの新たな調査を基につくる新・観光基本計画

来訪者の行動、観光人材、観光資源…実態調査を基に観光基本計画策定を推進

今年度、平成26年度以降の伊勢市観光振興基本計画策定業務を受託。平成25年に、大きな節目である20年に一度の「式年遷宮」を迎えた後の、新たな伊勢市の観光の姿を描く計画の策定を、最新調査手法を活用しながら現在推進している。

伊勢市には伊勢神宮だけでなく、おはらい町、おかげ横丁など街歩きや、二見浦などの景勝地、レジャー施設等、随所に観光名所がある

「式年遷宮」以降の伊勢市の新・観光ビジョンとは?
 今まで伊勢神宮を有する伊勢市は、シニア層を中心に多くの来訪者を獲得してきたが、さらなる集客拡大を考える際、以前から若年層の獲得が問題視されていた。また宿泊先として同市以外に鳥羽・志摩エリアなどの隣接市を選択する例も多いという特徴もある。今年、遷宮で集客のピークを迎えると言われる伊勢市。その後の観光計画には、若年層など新たなカスタマーの獲得、隣接市との周遊状況把握など、現状のカスタマー実態を反映した計画策定が求められている。
3つの視点から伊勢市観光を分析。実態に基づいた計画へ
 今回の観光振興基本計画策定にあたり、実態把握のためにJRCが展開する3つの調査手法を活用する。
 まず1つ目は「GPS調査」。携帯電話のGPS・位置情報を、個人を特定せず抽出するゼンリンデータコム社の混雑統計データをベースとし、伊勢市を訪れた来訪者の発地、滞在時間、隣接する鳥羽・志摩エリアとの周遊実態等の実態を可視化し、把握する。
 2つ目は「地域力診断調査」。市内の観光・商工関係者等キーマンにサーベイ調査を実施し、地域人材の現状把握を行う。人材同士の繋がり、地域の強み、課題意識を可視化し、共通認識とすることで、今後何に力点を置いて計画策定を推進するか等の検討に活用する。
 3つ目は「GAP調査」。カスタマーに対して、伊勢市の観光資源に対する認知と関心をマーケティングし、属性別にどんな資源が響くのか等を把握し、今後のアクションプラン策定やプロモーション施策に活用する。他にも既存観光客への「現地聞き取り調査」を行う等、複合的に計画策定のベースを固めている。
 少子高齢化・旅行実態の変化等市場の現状を捉え、一歩先を見据えた伊勢市ならではの観光振興基本計画策定を目指して進行中である。

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