観光ジバづくりのための協働チーム育成研究(ジバ観)

観光ジバとは?

その地域ならではの力(地場)を活かし、地域内外の人を惹きつける力(磁場)を持つ地域・観光ブランドのこと。ジバ観は、そんな「ジバ」づくりの基盤となる組織を、行政・民間・住民の協働を起こすことでつくりあげていく研究です。

研究背景

観光・地域づくりに主体的に、継続的に関わる担い手の不足

観光・地域づくりに主体的に、継続的に関わる担い手の不足

この事業を始めた背景には、行政・民間・住民の協働を進めようとしている各地域のリーダーの悩みがあります。「DMO設立に向けて検討委員会をつくったが、動いてくれるのは2、3人だけ」「観光魅力化プロジェクトの参加者のやる気が一向に上がらない」といった地域のみなさんの声を、よく耳にします。

観光・地域づくりに自分ゴトで取り組む協働チームを地域につくる

観光・地域づくりに自分ゴトで取り組む協働チームを地域につくる

魅力的な観光ジバを実現・維持するには、観光地域づくりを10年、20年と続ける必要があります。しかし、従来のようにだれか1人が頑張るスタイルでは決して長続きしません。このままでは、観光地域づくりやDMOの多くが失敗するおそれがあります。 そこで私たちは、コクリ!プロジェクトの研究から見えてきたノウハウを活用して、行政・民間・住民で「協働チーム」を創り、観光地域づくりを自分ゴトとして取り組むメンバーをどんどん増やしていくスキームを開発し、それを元に地域の皆さんと取り組む1年間の事業プロセスを設計しました。

従来のアプローチとの違い

これまでの協働推進プロセス

メンバー同士の関係性や相互作用に着目して組織全体のパフォーマンスを高める 「組織開発」の分野でギャップアプローチと呼ばれる手法が多く用いられている。

ギャップアプローチとは?
あらかじめ設定された「基準=目標」と現状の「差=ギャップ」に焦点を当てて問題を特定、修正や改善を図るという方法。

目的が明確で、かつ置かれている環境の情報が十分に揃っている場合に有効。

例)市場予測が立てやすい商品を扱う企業内における目標達成の推進

基盤となる組織をつくり、協働を推進する際のプロセスに当てはめると・・・

従来のアプローチとの違い

  • 行政が綿密で明確な計画を描き
  • 「平等」のルールのもと
  • 地域の方々に網羅的に声をかけ
  • 抜け漏れがなく計画に沿って進めていく

しかし、環境変化が激しく、複雑性が高い状況においては効果が低いと言われている。

従来のアプローチとの違い

複雑に問題が絡み合い、刻々と変化し市場予測の難しいこれからの観光・地域づくりには適さない

ジバ観で用いる協働推進プロセス

ギャップアプローチではなく、ポジティブアプローチを活用する。

ポジティブアプローチとは?
1人1人の価値や強みに焦点を当てそれを高め、
それらの組み合わせで組織のパフォーマンスを高める方法。

垣根を越えて、多様な人々が集まり新しい取組みをつくるのに有効

例)市場予測が立てやすい商品を扱う企業内における目標達成の推進

ポジティブアプローチを元に協働推進のプロセスを設計すると・・・

従来のアプローチとの違い

  • 1人が描いた地域のありたい未来を元に
  • 「できることから」のルールのもと
  • 共に動きたい地域の方1人1人に声をかけ
  • 実践と修正を繰り返しチームで磨いていく
従来のアプローチとの違い

特徴①
計画・目標を立てる人と実行する人を分断せず、共にありたい未来を描き進める

特徴②
ありたい未来に向けたアクションをすぐに自分たちで実行し仮説検証していく

計画の推進に全員が当事者意識を持ち、主体的な関わりが促される。
結果、継続的な取り組みになりやすい。

具体的なスキーム

協働チームのメンバーを募り、5回程度の協働チーム会議を行い、ありたい未来を共有することでメンバーの関係の質を高めます。そして最終的に、観光・地域づくりのアイデアをより多くの地域の方々と出し合う「みんなゴト会議」や、遊び体験予約のコンテンツづくりなど、具体的な観光地域づくりの主体を広げていく具体的な取り組みを考え、協働チームでやってみます。これらの取り組みを通して、半年~1年かけて、協働チームの基礎を創っていきます。

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地域との実証事例のご紹介

香川県琴平町

事業名:琴平町住民参加による自走型まちづくり団体設立支援業務
香川県琴平町は、四国で最も有名な場所の一つ「こんぴらさん(金刀比羅宮)」がある町で、人口は約9000人。観光資源も複数あり、アイデアを持った住民もいるが、それを活かしきれていないという課題を地域おこし協力隊員、琴平町役場総務課の森本さんらが感じていました。その状況を改善するため、協働チームを立ち上げることになりました。


山形・上山・天童三市連携観光地域づくり推進協議会

事業名:山形・上山・天童 三市連携観光地域づくり推進協議会設立支援事業
蔵王温泉・上山温泉・天童温泉の3つの温泉地の連携を主な目的に掲げ、三市合同でDMOを設立しましたが、設立意図や方向性が十分に浸透しておらず、機能していませんでした。中心メンバーである山形市観光物産課・青木さんの「三市のメンバー一人ひとりが主体的に動きながら、皆で力を合わせて観光地域を変えていきたい」という想いから、三市協働のチームを創ることとなりました。


協働を促していくファシリテーター

ジバ観は、担当研究員とエリアプロデューサー、そしてチームの協働を促していくファシリテーターが連携して事業を進めていく。
ファシリテーターはなぜ協働をサポートすることができるのか。ジバ観が生まれた経緯を紐解きながらその理由に迫る対談記事ができました。ぜひお読みください。

協働を促していくファシリテーター
ジバ観やコクリ!は地域の“公共空間”を復活させようとしている●コクリ!対談・番外編/高間さんとジバ観チームの仲間たち

担当研究員について

草刈 良允

くさかり りょうすけ

対話やコミュニケーションの力によって地域に眠る力を引き出す「地域コ・クリエーション(共創)研究(コクリ!プロジェクト)」の事務局および地域展開を担当。WEBディレクション、広報、広告制作を担うフリーランス等を経て、上記担当として2017年に入社。