研究員コラム未来を創ろう。

2013/10/14

研究員: 森戸 香奈子

子どもの発熱でわかった、データの裏の企業努力

今年の夏、予定していた帰省の前日に、子ども(2歳)が熱を出した。
あわてて救急病院に行ったものの、夜間高熱が下がらず
おそらくこれは翌日の帰省は無理だろうと判断して
その夜に、購入していた航空チケットのキャンセルをした。
 
 
急な話なのでとりあえずカスタマーデスクに電話である。
当然金額がかかるだろうと思っていたところ、
電話口に出てくださった担当の方が、事情が事情なので…と上司にかけあって
なんと無料で対応してくださったのであった。
(具体的には、事務的手続きもありますが)
 
 
そして翌日、なんと…娘はケロリとして元気もりもり。
遠方に住んでいるため、なかなか会いに行けない祖父母のことを考えて
もしも可能なら、行くか…と、またカスタマーデスクに電話。←面倒くさい客ですね。。
すると今度は別の方が電話に出たのだが、名前を告げると
「昨夜の方ですね」と、事情が共有されている(!)ではないか。
一度キャンセルした席は、さすがに繁忙期で予約済みになってしまってとれなかったものの
嫌な顔(見えないけど)ひとつせず近い日にちを押さえてくださり、
それもまた無料の範囲で対応してくれるという。
 
 
たまたま職業柄もあって、そのエアラインのCS担当の方に
後日お会いする機会があったので
上記のエピソードをお話ししたところ、
キャンセルの無料対応は、表立って言っているわけではなく、
ケースバイケースで、いわゆる従業員の裁量でやっているという。

ということは、属人的な判断もあるわけなのだが
最初に対応してくださった方も、
「娘が元気になったからチケット取り直し」という
わがままなオーダーに答えてくださった2回目の窓口の方も、
なんという高い教育レベルなのだろうか。

先日リリースしたエイビーロードのエアライン調査は、
エアライン各社の満足度を測定したものなのだが、
ラインナップは、いずれも顧客満足に努力を惜しまない企業である。
それは実際にご担当者の方々にお会いしてもつくづく感じる部分があったが、
自分がカスタマーとして初めてその企業努力の一部分に触れてみて
高い評価を示すデータの裏に、ここまでの企業努力があったのかと
頭が下がる思いであった。
 
 
 
大リーグ、ヤンキースのイチロー選手は
「4000本のヒットを打つために、8000回以上の悔しい思いをしてきている」と言っていた。

データの裏には、それ以上の努力の積み重ねがある。
データを扱う者として、ひとつひとつの努力と
その思いを忘れずに調査をしていかなければと思った出来事だった。

森戸 香奈子

調査担当、研究冊子「とーりまかし」デスク。1998年入社。株式会社リクルートリサーチへ出向、アドホック調査を中心に調査の設計および分析を担当。じゃらん編集部、広告制作を経て2007年4月より現職。担当調査に「人気温泉地ランキング」「ご当地調査」など。海外旅行領域のエイビーロード・リサーチ・センター研究員も兼務。岡山県観光立県戦略策定委員、香川県高松市「屋島山上拠点施設整備等検討懇談会」委員など。