• 2016/06/18
  • Edit by HARUMA YONEKAWA
  • Photo by KENICHI AIKAWA

私とコクリ!(4)コクリ!の場で起こっていることは、バルセロナのストリートミュージシャンのセッションに似ている

コクリ!の場についてどのように感じているか、コクリ!の場をどう活用しているのかを語っていただきました。

コクリ!の場で起こっていることは、バルセロナのストリートミュージシャンのセッションに似ている

しまっちさん/島田昭彦(しまだ・あきひこ)さん 京都おもてなし大使、株式会社クリップ 代表取締役

コクリ!キャンプやコクリ!ラボと付き合う皆さんに、「私とコクリ!」について語っていただくコーナーの第4回は「しまっちさん」こと、島田昭彦さんです。伊右衛門サロンや京都市動物園リノベーションの仕掛け人であり、「コクリ!京都」の中心人物でもあるしまっちさんが、コクリ!をどのように感じているのか、語っていただきました。

「コクリ!どうですか?」と聞かれたら、すぐに返信するようにしている

愛ちゃん(三田愛さん)とは、2013年頃に一度会っていましたが、初めてきちんと話したのは、2014年冬に、僕が参加していた経済産業省の「地域ストーリー作り研究会」に愛ちゃんがやってきたときでした。そこで、2015年2月の「第1回コクリ!キャンプ」に誘われたんです。「100年先から見て歴史が変わったといえるようなことを起こしたい」という愛ちゃんの想いが印象的で、その点に惹かれて参加を決めました。僕は今、「京都市基本計画」を企画・立案するメンバーに入っていますが、それを考えるときには、1000年先を見据えながら、100年先をイメージし、10年後に向けて施策を練っていきます。京都というところは、もともとそういう時間軸で動いているんです。コクリ!キャンプは、それを日本レベルで考えるのだと思って、興味を持ったんですね。その意味では、愛ちゃんと僕の目線は似ていると思います。

しまっちさん(島田昭彦さん)

それ以来、愛ちゃんから「コクリ!の場があるんですけど、いかがですか?」とメールが来たら、すかさず返信して、できる限りスケジュールを合わせ、京都から駆けつけるようにしています。コクリ!の場が面白いから、プライオリティに入っているんです。

日本中の「地域の星」や「町の変人」と出会う場には、毎回、発見や感動がある

なぜコクリが面白いかといえば、一言でいえば、毎回発見があるからです。僕は『Number』編集部で働いていたときにも、独立してプロデューサーになってからも、国内外のさまざまな人と会ってきました。だから、たいがいのことではもう驚きません。にもかかわらず、コクリ!の場には、いつも感動や気づきがあって、僕の好奇心が刺激されるんです。地域活性の集まりにはいくつも呼ばれましたが、こんな場はほかにありませんでした。

しまっちさんが企画監修してリノベーションした京都市動物園にて

何よりも、「多様な変わった人」がいるのがよいのだと思います。コクリ!プロジェクトには、「地域の星」や「町の変人」がバランスよく大集合しています。加えて、都市の面白いメンバーも来ている。その道の専門家でありながら、互いに掛け算して、何かを生み出せそうな方が多いように感じます。愛ちゃんのフィルターを通して集まる人が、ユニークでピュアで、柔軟な心と頭の持ち主ばかりなんだと思います。そんな皆さんとお話しすることで、仕事上でもプライベートでも、ヒントや刺激になることがたくさんありますし、その方の現場を見てみたいと思うようになります。たとえば、先日の第2回コクリ!キャンプでは『男子専科』というメディアをやっている山崎さん(山崎伸治さん)と意気投合し、一緒に何かしようと話し合っています。

第1回コクリ!キャンプで、田坂広志さんが「たまたまの出会いから生まれることがほとんどです。偶然のご縁を大切にしましょう」といったことをお話しされていました。コクリ!の場では、まさに偶然を面白がることが大切です。その第1回コクリ!キャンプで松井ちゃん(松井朋子さん)やけいかさん(山本恵果さん)と初めて出会い、早くも2015年10月に「コクリ!京都」を開くことになったのも、偶然の一つです。

コクリ!京都で、京都の「垂直のつながり」を知ってほしかった

松井ちゃんやけいかさん、杉崎さん(杉崎和久さん)は、以前からコクリ!ラボに参加するなかで、「コクリ!ラボをいつか京都で」と考えていて、それが「コクリ!京都」に結実したわけですが、僕が個人的に「コクリ!京都」に可能性を感じたのは、コクリ!キャンプやコクリ!ラボが、さまざまな地域や人の「水平のつながり」の場だったからです。

コクリ!京都で門川京都市長と対話

京都は、実は昔からまちづくりが盛んなところです。単に町が古いだけでなく、コ・クリエーションの長い歴史、つまり「垂直のつながり」があるんです。コクリ!京都を開き、さまざまな地域の皆さんに、この京都の「垂直のつながり」を知っていただくこと、京都の「伝統と革新の両方」を知っていただくことに意味があると考えました。実際、開催して本当に良かったと思っています。皆さんに京都を知っていただけただけでなく、京都内外のつながりが増えました。加えて、コクリ!京都に2日間も参加してくださった門川京都市長が、マニフェストに「みんなごと」という言葉を加えるほど、コクリ!プロジェクトに共感してくださっているのも嬉しいことです。

コクリ!京都のしまっちさんツアーメンバーとともに

それ以来、個人的には、コクリ!京都で丹波チームの元さん(井口元さん)、はるちゃん(田代はるかさん)と仲良くなって、遠藤さん(遠藤彩子さん)、松井ちゃんを交えて「丹波ツアー」を開催したり、黒川温泉のゆうきさん(北里有紀さん)を訪ねたり、ようびの大島さん(大島正幸さん)の奥多摩工場を見学したりしています。なかでも丹波は近いのに、ほとんど知らない地域でした。そこで、元さんやはるちゃん、横田さん(横田親さん)の案内で丹波を訪ねてみたら、栗がおいしくて、数多くの薬草が採れ、酵素浴ができるところまである。「“美しくなるツアー”なんて、盛り上がるんじゃないですか?」と、感じたことをその場で町役場の方々に提案しました。その時の対話がきっかけとなって、実際に今年度、何か動き出すかもしれません。このようにして、外に飛び出してさまざまな地域を眺め、感じたことを共有し、輪を広げていくのが面白い。こんなにあちこち行くようになるとは、そして行く先々で「戦友」を増やしていけるとは、2年前には想像もつきませんでした。

コクリ!京都がきっかけで、丹波ツアーを開催

こうしてコクリ!の場で起こっていることは、言ってみれば、海外のストリートミュージシャンのセッションに似ているように感じます。バルセロナやニューヨークでは、ストリートミュージシャンがそこら中にいて、2、3人がたまたま出会うと、よく一緒に演奏を始めます。すると、ギャラリーが増え、投げ銭が増え、さらにミュージシャンが増えたりもする。こうした盛り上がりが自然発生的に起こっていくんです。コクリ!プロジェクトも、偶然をきっかけにして、自然発生的に生まれたものが面白い。自然体で楽しく能動的に関わっていけば、皆の共感が緩やかに集まって、ことが大きくなっていく。ジャムセッションみたいに気持ちが良い場です。

コクリ!の場を、他の町でもぜひもっと開いて欲しい!

コクリ!京都は、3、4年後にまた開いてもいいかなと思っていますが、それよりもぜひ、ほかの町でもっとコクリ!の場を開催してほしいと思います。今年、氷見市や西粟倉村でコクリ!プチキャンプが開かれていますが、まさにこういう動きを待っていました。「コクリ!京都」を実施してわかったことですが、こうしたイベントを行うと、単に地域の内と外だけじゃなくて、地域内でも本当にさまざまなつながりができる。このような副次的な効果がいろいろとありますから、ぜひチャレンジしてもらいたいです。そして、そうした場が増えることで、地域間の行き来がこれまで以上に盛んになったら楽しいですね。別に、地域を行き来したからといって、無理にコ・クリエーションを起こす必要はないんです。まずは自然体で交流を始め、互いの地域や考えについて交し合える間柄になればいい。何かが合えば、そのうちコ・クリエーションは自然発生するに違いありません。僕みたいに、気軽に他の地域に行くことを楽しむ人がもっと出てきたら、コクリ!プロジェクトがさらに立体的に立ち上がってくるんじゃないかと思います。

しまっちさん/島田昭彦(しまだ・あきひこ)さん
京都おもてなし大使、株式会社クリップ 代表取締役
京都市生まれ。東山高校卒業後、京都の職人の世界が大嫌いで東京に進学、立教大学卒業後、日経BP社を経て、文藝春秋スポーツ総合誌『Number』編集部に10年間在籍。イチローや伊達公子、中田英寿選手ら表紙に登場するほぼすべてのアスリートと交流を深め、サッカーワールドカップ、オリンピックの取材を行う。2005年、『京都、日本のモノ、コト、文化を世界に、世界の人を日本、京都に』をキーワードに、ヒト、モノ、コト、文化をコラボレーションしブランディング、マッチングを行い新事業、新業態開発を行う企画会社(株)クリップ設立。地域活性の仕掛け人、プロデューサーとして、伝統とモダンをキーワードに、京友禅×アロハシャツpagong、京友禅×飲食=サントリー緑茶伊右衛門のリアルカフェ『伊右衛門サロン』、京都×世界VIP=デザインホテル『The Screen』、京都市×東京ガールズコレクション、京絞り×パリコレクション、京都西陣(素材)×コペンハーゲン(北欧デザイン)×上海(製造拠点)=国際分業インテリアビジネス、パリでは京都伝統産業×アランデュカス、京都将軍塚、吉岡徳仁ガラスの茶室、ミラノ万博KYOTO WEEK、HYOGO WEEKなどをプロデュース。2015年は8年越しで企画監修する京都市動物園のリノベーションが完成。人をワクワクさせ、人に喜んでもらい、三方よしを目指して、ヒットを出すのが成功の方程式。

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