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2011年度、日本各地で計12メニューを発表

地元食材を使ったご当地グルメを作りたい!

地域間連携やお土産への展開もスタート
「新・ご当地グルメ」の最新ラインアップ

地産地消にこだわった新グルメを複数店舗で提供し地域活性を目指す「新・ご当地グルメ」に、2011年度は12メニューが誕生。さらに、「グルメ同盟」「新・ご当地みやげ」といった、地域へ人を呼び込む新たな施策もスタートした1年となった。

「寿都ホッケめし」は発売後、メディアやイベントにも多数登場。大きな看板も設置した。町内の学校給食でも提供された

2地域の共栄を目指す「新・ご当地グルメ」同盟結成

 交流人口の増加と地域活性を目的に、各地の地場産食材で開発される「新・ご当地グルメ」。この地産地消型ご当地グルメは2005年誕生の第1号以来、JRCのヒロ中田エグゼクティブプロデューサーと、地域への集客を願う各地の人々が共同して開発してきた。2011年度には10地域12作が誕生し、6か月で5000食を販売した北海道寿都町「寿都ホッケめし」をはじめ順調な初年度を迎えている。それぞれの「新・ご当地グルメ」事業には地域の有志による運営組織が編成されているが、今年度は隣接2地域の「新・ご当地グルメ」が同盟を結ぶという新たな動きもあった。宮崎県都城市「都城焼き肉三昧炭火定食」と2010年誕生の日南市「日南一本釣りカツオ炙り重」の両組織が、「ファイヤーご当地グルメ同盟」と銘打って連携・競争し、2地域の相乗効果による集客増を図っている。

地域PRの飛び道具、「新・ご当地グルメ」第1号誕生

 スイートコーン生産量日本一の町、北海道芽室町に2011年7月に誕生した「十勝芽室コーン日本一アイス」は、2008年より同町で提供されている「十勝芽室コーン炒飯」に続くコーングルメ第2弾として開発された。現地への集客を目的とし、現地の飲食店でのみの提供が原則である従来の「新・ご当地グルメ」と異なり、このコーンアイスは他地域での販売も視野に入れた「新・ご当地みやげ」と位置づけられている。現状は生産能力の問題から芽室町内の店舗での販売にとどまっているが、「将来的には町外にも販路を拡大し、十勝芽室をPRする飛び道具にしたい」とヒロ中田。「新・ご当地グルメ」を目的に地域へ人を呼び込む前段階、地域を全国に発信するツールとしての役割が期待されている。今後は芽室以外の地域でも、同様の「新・ご当地みやげ」の開発を予定している。

点から面へと集客効果を波及

各地で続々と誕生している「新・ご当地グルメ」事業の今年2011年度の動きとしてまず報告したいのは、ご当地グルメ同盟だ。宮崎県日南・都城両市の新・ご当地グルメ組織による「ファイヤーご当地グルメ同盟」の調印式は、2011年10月に開催された。会場には行政機関、観光協会、商工団体をはじめ約130名が参集し、立会人として宮崎県知事、日南市長、都城副市長も出席。マスコミ各社も駆け付け、地元新聞やテレビへの露出度も高く十分なPR効果が得られた。
同盟の目的は日南と都城の両組織が切磋琢磨して品質・満足度向上に努めることのほか、PR力・集客力を隣接2地域の相乗効果で高めていくことにある。九州初の新・ご当地グルメである日南のグルメは、誕生1年7カ月で5万食の販売を達成するまでに成長している。その集客を都城へ誘導し、都城でも日南のグルメを紹介して両地域の共栄を目指す考え。結成後は周遊促進を狙い、両グルメのスタンプラリーも開催された。
この同盟方式は他地域への応用も可能で、今夏には宮崎県内で「ご当地どんぶり」をテーマにした同盟結成も予定されている。単一地域にとどまらず、複数地域、あるいは県全体の活性化へと展開していけるご当地グルメ同盟は、新・ご当地グルメ事業の可能性を広げる動きと見ている。

運営組織の形成で発展は無限大

「新・ご当地グルメ」が地域活性の切り札だとすると、その地域の知名度向上を狙う飛び道具が「新・ご当地みやげ」だ。第1号である北海道芽室町の「十勝芽室コーン日本一アイス」は、同町の新・ご当地グルメ運営組織である十勝芽室コーン炒飯地域活性化協議会が主体となって開発。コーン炒飯の誕生2年目から開発をスタートし、同協議会の関係者が試食会などを重ねて完成させた。 このように、新・ご当地グルメ事業の財産はグルメ商品そのもののみならず、その運営組織にある。確固たるチームをひとたび形成できたなら、地域活性へ向けた次なる打ち手を繰り出していけるのだ。実際、今年度誕生した「竹原たこめし」「竹原たいめし」とも、運営組織は前年2010年度誕生の「竹原たけめし」と同一。グルメ商品開発やプロモーションを行う基盤が確立していたため、新メニューもスムーズに導入できた。地域活性へ向けて動く組織づくりの発端となる新・ご当地グルメ事業は、今後も日本全国で展開したい。

宮崎県の都城市と日南市ともに火を使ったグルメであることに端を発した「ファイヤーご当地グルメ同盟」。調印式にはマスコミ各社が来場
北海道立十勝圏地域食品加工技術センターの協力を得て開発した「十勝芽室コーン日本一アイス」はコーン、牛乳、砂糖すべてが地元産だ

2011年度に誕生した「新・ご当地グルメ」一覧

「都城焼き肉三昧炭火定食」宮崎県都城市
「北海道 新・ご当地グルメ応援弁当2011」JR札幌駅
「十勝芽室コーン日本一アイス」北海道芽室町
「竹原たこめし」広島県竹原市
「寿都ホッケめし」北海道寿都町
「苫小牧ホッキ炙りめし」北海道苫小牧市
「有田焼五膳」佐賀県有田町
「竹原たいめし」広島県竹原市
「館山炙り海鮮丼」千葉県館山市
「都農ふぐ丼」宮崎県都農町
「別海ジャンボ鮭茶漬け」北海道別海町
「別海ジャンボホッキステーキ丼」北海道別海町


取り組んだ地域の方々

都城ご当地グルメ推進協議会/日南一本釣りカツオ料理推進協議会/十勝芽室コーン炒飯地域活性化協議会/竹原タケノコ料理推進協議会/寿都ホッケめし推進協議会/苫小牧新・ご当地グルメ推進協議会/有田焼ご当地グルメ推進協議会/館山炙り海鮮丼推進協議会/都農ふぐ丼推進協議会/別海ジャンボ鮭茶漬け地域活性協議会/別海ジャンボホッキステーキ丼地域活性化協議会ほか

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