グリーンツーリズム推進のためのパートナーシップ協定事業

農林中央金庫(JAバンク)、株式会社ABC Cooking Studio、株式会社農協観光

「農」「食」をテーマにしたグリーンツーリズムで
地域の価値向上を図り、地方創生へ

地域の交流人口増加・消費拡大への一手になりうる
グリーンツーリズムの現状と課題

 かつては農業や漁業で賑わっていたものの、少子高齢化や都市部への人口流出などにより経済危機に面している地域は少なくない。一方で近年は「モノからコト」へと消費トレンドが移り、旅行業界でもその土地ならではの体験や食に対する需要は高まっている。農業体験や地産食材を旅行者に提供するグリーンツーリズムが、地方の農山漁村の活性化に果たせる役割は大いにあるだろう。しかし従来のグリーンツーリズムは旅行商品として未熟な部分もあった。旅行者視点の課題は、体験プログラムの情報収集や手配が困難な点、旅行商品としての魅力不足が挙げられる。受け入れ側に立つと、運営体制の整備や商品造成が課題だった。両者が抱える課題の原因は、受け入れ事業者が基本的には観光のプロではないことが大きい。農家などの受け入れ先は本業が別にあり、予約受付や旅行者の対応、商品造成に慣れておらず十分に手をかける余裕もない。そこで旅行者と受け入れ先を橋渡しする中間事業者(観光協会やグリーンツーリズム協議会、旅行会社など)によるサポートが求められるが、関係組織が多岐にわたり連携が困難な状況。連携不足ゆえ、情報発信が手薄になる問題も起こる。

異業種4社がおのおのの経営資源を持ち寄って
国内外の旅行者受け入れ体制を構築

 こうした課題解決に向け、農林中央金庫(JAバンク)、 (株)ABC Cooking Studio、(株)リクルートライフスタイル(JRC)、(株)農協観光の4社は2016年3月、包括的パートナーシップ協定を締結。本事業により、従来は各地の農家や旅行会社が単独で扱ってきたグリーンツーリズム商品を組織的に造成・販売する仕組みを整備。国内だけでなく海外への情報発信や受け入れ体制整備にも注力する。また、異業種4社が各自の強みを持ち寄ることで商品・販売方法ともに質を高めていく。

 (株)農協観光はこれまでもJAグループの旅行会社として農山漁村と都市部の交流促進を図る商品を扱ってきた。この知識と経験を基に、本事業では農家などと連携した受け入れ体制の構築、個人旅行者向けの商品造成を進める。受け入れ側との協力関係構築には、農林中央金庫がもつ農協・漁協・林組とのネットワークも活用する。

 また、国内はもとより海外8都市でも料理教室を展開しており、30万人超の会員を抱える㈱ABC CookingStudioでは、地域の農作物を使った料理体験企画を開発し、日本の食文化の価値を発信していく。同社の海外会員に対しても情報発信・意識調査を行うほか、日本での体験を通じた日本食のファンづくり、ひいては日本食材の輸出推進をも見据えている。

 商品造成の際は、地域振興・観光商品開発を手掛けてきたJRCの経験も活用。旅行者のニーズを汲んで商品を磨き、より売れる商品を目指す。こうして造り上げた商品は㈱農協観光を通じて販売するほか、じゃらんnet内の体験プログラム予約・販売コンテンツ「遊び・体験予約」にも掲載予定。ウェブサイトによる販売経路の拡大と、旅行者の利便性向上が見込める。

モニターツアーで得た経験と旅行者の声を反映し、
質の高い商品造成と販売拡大を目指す

 現在はすでに国内外向けモニターツアーを実施し、生の旅行者ニーズの収集や旅行者応対スキルの蓄積、インバウンド用にツアー受け入れ施設への多言語翻訳システム配備などを進めている。また、モニターツアーを契機に問い合わせがあり、和歌山県にて香港からの訪日ツアー客受け入れも実現。今後もツアー造成・海外旅行会社への提案を進め、ツアー実施を促進させていく。

事例一覧

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