鳥取県観光商品開発&既存資源売れる化プロジェクト

公益社団法人 鳥取県観光連盟

「“売れる”商品とは?」に狙いを定めて
3年間計画の商品造成がスタート

「通過型地域」から目的地へ!
県内3エリアの改革に着手

 鳥取県内には鳥取砂丘、大山といった観光地がある一方で、認知度が低く観光による経済効果が薄い地域も存在する。これは鳥取県に限った問題ではなく、全国どの地域でも見られるだろう。そして人が集まる観光地では素材が磨かれてさらに魅力を増す流れが生まれるが、観光地としての認知が低い地域では観光資源の掘り起こしや商品化のノウハウが不足し、魅力的な原石が埋もれたまま...という負の連鎖が起きる点も全国共通の課題だ。本施策は、そうした観光地になりきれていない地域=通過型地域において、マーケティング調査を活用した地域資源の掘り起こしとブラッシュアップの手法を実践しながら身に付けていく取り組み。そして消費者ニーズにマッチした「売れる観光商品」を造成・販売することを目的にしている。対象地域は日野郡3町(日南町・日野町・江府町)と、琴浦町、八頭町・若桜町の3エリア。エリアごとの特性に応じた商品造成を目指し、3年間にわたって取り組みを展開していく。

「GAP調査」×「旅づくり塾」で
マーケットイン型の商品造成を

 商品開発へ向けた基本的な枠組みは3エリアとも共通している。一つは地域の現状を把握するためのマーケティング調査「GAP調査」。この調査により地域の観光資源の「認知度」「興味度」を調べて、従来の観光施設と旅行者のイメージのギャップを測定することで、課題を把握するとともにエリア特有の資源・強みを発掘・整理することができる。もう一つは地域資源を「旅づくり塾」で磨く作業。これは観光商品開発を目的としたワークショップで、本施策ではほぼ1カ月ごとの意見交換会や勉強会と合わせて実施していく。
3エリアのうち日野郡3町を例に挙げ、取り組みを紹介する。日野郡3町ではまず、鳥取・島根・岡山の近隣地域からの日帰り旅行者を呼び込めるグルメ開発を目標とした。このエリアは県内の中山間地域。しかし車で約30分の位置にある全国屈指の漁港・境港の海産物に注目が集まり、当地は里山の幸に恵まれていながらも認知度が低く、資源を活かせていなかった。こうした課題を受け、現在はワークショップを開催中。また同時進行で「明地峠の雲海」をメインにしたモニターツアーも実施。地域の強みを活かすツアー造成の第一歩を踏み出した。

地域の人々が参加することが
今後も自走できる環境を生み出す

 ワークショップや勉強会には、各エリアの地域行政や観光協会の担当者のほか、観光事業者に限らず特産品の生産者など、地元振興を願う地元の人々が幅広く参加。定期的に顔を合わせることは、地域の人々の連帯感の形成にも役立っている。県東部の八頭町・若桜町でも、町の枠組みを越えて同じ目的意識をもって進むことが、2町間の協力関係の醸成につながっている。
本施策は2015年を初年度とした3年がかりの取り組み。初年度は、行政・地域の人々との連携不足や、合意形成の難しさを実感する場でもあった。こうした課題に丁寧に対応しつつ、次年度以降は地域発の商品造成を進めていく。また3年計画としたのは観光商品を「作って終わり」ではなく、情報発信や販売する手法までを地域の人々自身が実践しつつ修得するためである。その結果、今後も継続的に地域の魅力を高めるために自走していけるような、意識と能力を備えた人々が地域に育つ。これこそが本施策の最終的なゴールといえるのだ。

事例一覧

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